2017.12.19

【短歌しない?】『荒井の妄想一首評』:例えば牛乳は白く見えるが

牛乳が透明になるわけねえだろ!って思っているあなた!

その通りです。

いや、そうなんですが、そうなんですが、ここで話が終わってしまうと寂しいのでまずは荒井の妄言を聞いてみてくださいよ。

それでちょっと振り返ってみてほしいんですが、誰かを好きになった時とかその人と見事に恋人になることができた時とかって、急に世界が鮮やかに見えたりするじゃないですか。

そういうご経験、一度くらいはあると思うんです。

ない場合は、例えば何かにどハマりする前と後の人生を比べてみてください。

誰かを好きになった時とか何か没頭している時とかって、それがない人生なんて考えられない!って思いますよね。思いますねえ、うん、思いますよ。

しかし悲しいかな、人の心は移ろいやすいもので、突然気持ちが変わってしまうこともあるんですよね。あんなに好きだったのに、あんなにハマっていたのに。

はい、やーめたって。

まさにその時ですよ、「牛乳が透明になる」のは。

あの時はあんなに情熱的だったのに、なんだこんなもんなのか。

自分があれだけ気持ちを傾けていたのはなんだったんだろうかって、一瞬で冷めてしまった時、今度は目に見えている世界が、一気に色味を失ってしまう。

この短歌はそれを「牛乳は透明になるだろう」と表現しているんです。

 

人に限らず、僕らは何かを好きにならずにはいられないと思います。

ということは、それが透明に見えてしまう瞬間が来てしまう可能性もあるということ。

でもどうでしょうか、透明な世界。なんかちょっとつまんないかも知れませんね。

僕に見えている牛乳は、いまのところ白色です。

 

●短歌 歌人 荒井貴彦