僕が小さい頃行っていた教会のアメリカ人宣教師の家。
教会の敷地の中にある一軒家だったけど、家族同然だったから、しょっちゅう出入りしていた。
前回おもちゃの話をしたけど、あと強烈に印象に残っているのは食べ物ですよ。
いつも、オヤツやら食事やらご馳走になってたのね。
ジェロと呼ばれるゼリー。
マシュマロを固めたお菓子。
フィンガーチョコレート。
オレンジジュースやミルクのサーバー。
ジェロ(確かJerro)は、粉をお湯に溶かして冷蔵庫で冷やして作るんだけど、みかんやバナナを入れるのはいいとして、ニンジンとかキュウリの千切りが入っていたりしてびっくりしたね。
あれはジャパニーズアレンジだったのかもしれん。
夏のお楽しみはシャーベットですよ。
6個だかいっぺんに作れるシャーベットの型があって、いつもお昼に食べさせてもらった。
子供たちが、まだ固まらないうちに取り出そうとして、芯だけスポッと抜けたり。
あと、丸いクッキー缶みたいな感じの、恐らく2、3Lはあろうという巨大な赤い缶に入ったマーガリン。
クリスチャン家庭だったおかげで、昭和40年代にしてはなかなか珍しいものを口にしていたと思う。
あ、あとはベッドだね。
庭とダイニングの間に寝室があったから、どうしてもそこを通るわけよ。
でっかいダブルベッドがあって、座るとふかふかで、こんなのに寝るのか、と思ったね。
壁には宣教師夫妻の若い頃の写真が飾ってあって。
我が家とはかなり雰囲気が違ったね。
宣教師には娘と息子がいて、息子のほうが僕より2、3歳上で、よく遊んでもらった。
日本語はペラペラだったよ。
日本の学校には行かず、親が自宅学習してあげていた。
「ホームスクーリング」というやつだな。
まあ、宣教師はだいたいそうだったみたい。
お姉ちゃんがつけていた鍵のついた日記帳が珍しくて、「見せて」と言ったら「いや」と言われた。
見ても読めんが(笑)
あ、本題は「牧師と神父と宣教師」の違いだった。
宣教師は、伝道のために教会や宣教団体から外国に派遣される人。
牧師はプロテスタントの教会の代表者。
神父はカトリックの教会の代表者。
プロテスタントは各教会が独立した存在なので、牧師はいわば町工場の社長です。
カトリックは、全体がローマ教皇をトップとした階層組織なので、各教会は地方営業所、神父はいわば営業所長です。
・・・こういう説明をしたのは初めてだ。
我ながら、いい得て妙かも。
じゃあまた。
オッちゃんでした!
●文/オッちゃん
クリスチャン家庭に生まれ、高校時代に洗礼を受ける。50にして天命を知る。某プロテスタント教会所属の現役クリスチャン。趣味は読書、映画、80s、モノ書き。愛読書はもちろん聖書。編集長とは不思議な赤い糸で結ばれている。