2018.02.1

【インタビュー】地域映画ってなんだ? 三重県菰野町が舞台となった作品『サトウくん』とは?

地域映画、つまりは「地域を描いた映画」、まんまじゃないか。今回は三重県菰野町を舞台として制作された短編映画『サトウくん』を監督した佐々木想氏へインタビューをしてきました。


(撮影=東京饗宴 編集部)佐々木 想 監督

『サトウくん』とは

まずは佐々木想監督の作品『サトウくん』のあらすじを見てみましょう。

――あらすじ

菰野町で暮らす中学一年生、土方(ひじかた)くんの前にサトウくんが現れる。家族で町の外にある政府の施設に移住したサトウくんは、温かく送り出してくれた町の人々のことが忘れられずに戻ってきた。しかし、サトウくんは旧友の土方くんと菰野町(こものちょう)を巡るうち、町の異変に気付いていく。なんといってもヒット商品だった『宇宙(スペース)饅頭』が店から消えているのだ。

なるほど……、では次に予告編を見てみよう。

今作は15分の短編映画である。三重県菰野町(こものちょう)が舞台となる地域映画である。地域映画でありながら宇宙人が登場する不思議な物語だ。はい、わかってくれましたね? では佐々木監督のインタビューにいってみましょう。

 

地域映画って?

―――本日はありがとうございます。では今回の企画の内容を教えてください。

はい、吉本興業が主催の「島ぜんぶでおーきな祭 沖縄国際映画祭」という映画祭がありまして、プログラムの一環として各地域発信の映画を作る企画がありまして、三重県菰野町の映画を制作しました。昨年の映画祭で上映をされたのですが、今回東京でも上映することになり今回に至ります。

 

――――三重県菰野町、どんなところでしたか?

工業地帯の四日市が近いのですが、関東でいうと箱根のようなところです。名古屋や京都からも交通の便がよく、古くからある温泉地、湯の山温泉が観光地となっています。

 

作品について

――――では、今回の作品のポイントを教えてください。

地域映画なので、本来ならその町の魅力を出すべきなのですが、町長も意外とその点については求めていなかったんです。

――――サトウくんが常に手に持っていたネギ? のようなもの、あれはなんですか?

あれはマコモタケという菰野町の名産品なんです。設定上、彼が町を離れる際に餞別として土方くんにもらったから、としました。

――――地域映画にしては地域色が薄いのが面白いですよね。

この三重県菰野町はかつて戦国時代に織田信長に屈せず滅びていった僧兵がいたようです。つまり、長いものに巻かれない、独立自尊のような気風があります。そこで、あえて長いものに巻かれるものを作った。そのあたりが作品のポイントですね。これ、断られるだろうな、と思いながら町長に提案したら町長が意外にも「これでいい」と。受け入れられてびっくりしました。

――――主演の二人の少年はどのようにキャスティングされたんですか?

はい、実はあの二人は町内でオーディションしました。

――――次回作は「鈴木さん」とのことですが、これは「サトウくん」の続編ですか?

もともと『サトウくん』は『鈴木さん』を作っている最中にいただいたお話でして。ただ、ある共同体に異物が混ざってくる、という構造は似ていますね。サトウくんは子供だから無力だったので、ある意味くっきりとしています。『鈴木さん』は鈴木さんを受け入れた主人公が深く葛藤してどうなるのか、という作品です。

――――公開予定はいつですか?

はい、撮影が今年の9月を予定しているので、来年公開できればと思います。90分くらいの長編です。

 

監督業について

――――映画監督というのは皆が憧れる職業だと思うのですが、単刀直入に聞きますと、映画監督はどうしたらなれるのでしょうか?

もともと目指していたわけではなく、国連の食料問題の専門家になりたかったんです。ところが学生時代にアングラ劇団には入ってしまい人生を狂わされてしまいまして。普段はインタビュー映像や企業の映像などをつくっています。

―――――では最後に好きな映画を教えてください!

はい、トニー・ガトリフの『海辺のレストラン(現在は『ガスパール/君と過ごした季節』です。

――――ありがとうございました!!!

 

佐々木想 監督の『サトウくん』は明日!2月2日まで新宿K’s cinemaにてレイトショー中!

時間がない!急げ!

●文/撮影   東京饗宴 編集長・ライター ロックス

映画を中心に執筆活動中。得意なジャンルはB級〜Z級映画。勝手にその年の受賞作品を決める「輝け!日本ぬかデミー賞」を主宰。バンド活動、ウェブメディアの運営やイベント製作・萬屋経営など、マルチに活動中