2019.01.13

『クリード 炎の宿敵』観た。しかも1日で6回も。

著者が敬愛して止まない『ロッキー』シリーズの第8弾。新制『ロッキー』シリーズとして、ロッキー・バルボアの親友にして最大のライバルであった今は亡きアポロ・クリードの息子アドニス・クリードを主人公として制作された『クリード』シリーズの第二弾が1月11日にいよいよ公開となった。

一言言っておく、みんな、特に男。男ならこれ、マジで観ろ。

え? なに? 8作目からなんて流れがわかんないから観たくないって? なにいってやがんだ。

前回までのあらすじさえ知ってれば『クリード炎の宿敵』は楽しめる

『クリード』シリーズの主人公、アドニス・クリードは、アポロ・クリードの息子である。アポロ・クリードは『ロッキー4 炎の友情』でソ連からやってきたイワン・ドラゴによってリング上で殺害されるという悲劇を迎えてしまう。

怒ったロッキー・バルボアがソ連に乗り込み、見事親友の敵討ちに成功し、イワン・ドラゴをリングに沈めるのであった。これが33年前ね。

以上だ。以上のこれだけの内容を理解していれば、はっきり言って、『クリード炎の宿敵』を観ることができる。『ロッキー』1も2も3も5も6も『クリード1』も、観なくていい。つまり、8作目から観てもなんの問題もないのだ。なんて簡単な話なんだ。

『クリード 炎の宿敵』あらすじは完全に中2

あらすじはこんな感じだ。ロッキー・バルボアに弟子入りしたアドニス・クリード世界チャンピオンに昇り詰める。アドニス・クリードは恋人であるビアンカと結婚、そして妊娠が発覚。幸せの絶頂だった。そんな彼らの目の前に現れたのはかつてロッキーとソ連で死闘を繰り広げたイワン・ドラゴ、そして彼の息子であるヴィクター・ドラゴだったのだ。つまり、アドニスにとって父の仇である。イワン・ドラゴはロッキーとの死闘後、国を追われ、ロッキーへの復讐のため、アドニス・クリードへ挑戦状を叩きつけたのだ。因縁の息子同士の戦いのゴングがいよいよ鳴ろうとしていた。

なんだこのストーリー。息子同士、父の仇討。脚本考えたやつ、まじで中2だ。そしてありがとう、これ絶対俺のために作ってくれたような作品だ。俺得すぎ。トレーラー観た時、もう興奮して笑っちゃったもん。

『はじめの一歩』読んだことある人ならわかると思うけど、これ「宮田一郎 VS ランディ・ボーイJr」と一緒だろ。

『クリード 炎の宿敵』レビュー

そもそも著者は『ロッキー』は男なら興奮する中2バカ映画に位置する。単純すぎるストーリー、男が男らしく男であることに喜びを得ることができる、おしゃれな要素はない、ただ拳を交えるのみ。それが『ロッキー』シリーズだった。『クリード』という新シリーズの主人公は当然アドニス・クリード。そしてロッキー・バルボアは年老いたトレーナーとして彼を支える。そしてこのシリーズとなってからはストーリーへの深みが生まれるようになったのだ。

特に今回は、一見「父への仇討」という要素があるかと思いきや、違ったのだ。結婚、子供、産まれてきた子供への苦悩、ロッキーとの確執、そして宿命の敵との闘いにより、アドニス・クリードという一人の人間としての精神的成長が丁寧に描かれているのだ。

ドラマはアドニスだけではない。かつて国民的英雄として称えられた年老いたロッキー・バルボアの孤独。昔から変わらない、彼の人間としての不器用さも目立つ。ロッキーはアホで不器用だ。そして感情を隠す。だが人は一人では生きていけない。俺だってそうだ。誰かが傍にいないとあのロッキー・バルボアでさえ、生きていくことができないのだ。そんな寂しさも断片的に映る彼の生活から垣間見ることができるのだ。

そしてイワン・ドラゴ、ヴィクター・ドラゴ親子、彼らもその一人だ。イワンはロッキーに敗北したことによって、全てを失い、息子をロッキーへ復讐するためにバトル・マシーンのように育て上げるが、クライマックスは一人の父親として、バトル・マシーンとしてしか見ていなかったはずのイワン・ドラゴの息子に対する愛にも涙する人も多いはずである。

「なんのために闘うのか?」 劇中この疑問が何度もアドニスに問われる。その答えは劇場で観てほしい。

以上のように皆それぞれが欠陥をもった人間たちの群像劇が一つのボクシングの試合によって描かれ、そしてクライマックスは言うまでもない。アドニス・クリード、ヴィクター・ドラゴの死闘が描かれている。

試合ははっきり言ってずるい。こんな演出されたら歴代の『ロッキー』シリーズをみているバカだったら泣くに決まっている。ふざけんな、あんな演出しやがって。著者はアドニス・クリードが10ラウンドでダウンし立ち上がった瞬間レフェリーに「まだやれるか? 名前は?」と聞かれた瞬間のアドニスの答えに涙した。はっきり言って家だったら間違いなく「うおおおおおおおお!!!!」って言ってた。心の中では叫んだ。以上がレビューだ。

とりあえずヴィクター・ドラゴ強すぎ。

『ロッキー4炎の友情』では恐ろしいほどに鍛え上げられたソ連のサイボーグとしてロッキーの前に立ちふさがったイワン・ドラゴ。今作のヴィクター・ドラゴも負けじと威圧感はすごい。恐怖すら覚えるほどのパワーと体格。明らかにアドニス・クリードと体格が違う。こんなやつ倒せるわけないじゃん、そんな絶望感があるのも今作の魅力の一つ。ってかヘビー級の体格じゃないだろ、パンチの重さが違いすぎ、とか言ってはダメだぞ!

実は公開日に6回観た。

うん、1月11日、この日は仕事を休みにしてTOHO新宿で6回観た。TOHO映画館のフリーパスをもっていたからできた所業だ。朝から、朝まで。一人で完全に130分『クリード炎の宿敵』を完全再現できる自信がある。一番つらかったのは4回目、折り返しをすぎて意識は朦朧。6回目朝方迎えた最終鑑賞を終えた著者の筋肉は膨れ上がり、体重は40キロ増え、筋肉は増強し、屈強な戦士となった著者を見ることができたはずだ。(今は元通り48キロに戻りました)同じ映画を一日で6回も観るのはいくら素晴らしい作品でもさすがにつらかった。この日、俺は日本で一番『クリード 炎の宿敵』を観た男になったはずだ。今は知らん。

だが、クライマックスは何度も観ても感動した、つまり最高の作品であったことは間違いない、と確信した。

とりあえず一言、劇場に急げ!

 

●文/ 東京饗宴 編集長・ライター    ロックス
映画を中心に執筆活動中。得意なジャンルはB級〜Z級映画。勝手にその年の受賞作品を決める「輝け!日本ぬかデミー賞」を主宰。バンド活動、ウェブメディアの運営やイベント製作・萬屋経営など、マルチに活動中。


●イラスト・撮影/ 東京饗宴 プロデューサー・アートディレクター 武織
ニューヨーク帰りの狂気のアートディレクター。無いものはDIY魂で何でも作る。STAR WARSとMARVELには目がない。グラフィック制作、ブランディング、キャラクター・イラスト制作、イベントディレクションなどジャンルにとらわれず、クリエイティブで人と人の橋になるべく活動中。