2018.07.3

あなたも太宰治の小説が読みたくなる!映画『太宰』

こんにちはゆっかです! この度、2009年山形ドキュメンタリー映画祭にて絶賛された映画『太宰』が10年の歳月を経て、2018年7月28日にいよいよ公開されます。

この映画公開に先駆けて、先日試写会にお邪魔させていただきました。始めに言っておきますが私は太宰治の小説は読んだことがありません。その上でどう感じたのか、レポートして行きたいと思います。

『太宰』あらすじ

『太宰』は小説家太宰治の文学に魅せられ、彼の文章に呼応するように生きる現代の日本人たちのつぶやきを静かに、そして愛情に満ち溢れた目線でフランス人監督によって描き出されたドキュメンタリー映画です。

予告編はこちらから~!

太宰治について

太宰治(1909−1948)は新戯作派、無頼派として称された古典的な自己破滅型の私小説家です。代表作としては『人間失格』、『走れメロス』、『斜陽』などがあります。太宰は自殺未遂や薬物中毒を繰り返した後、1948年6月13日に行方不明になり、彼の誕生日である6月19日に玉川上水で遺体が発見されます。

命がけで小説に向かった太宰治に魅せられる人々

このドキュメンタリーでは、様々な人々が登場します。生活保護を受ける人や元政治家、イラストレーター等……。職業も違えば年齢も違います。ただ一つ、彼ら、彼女たちに共通することは「太宰治の文章に翻弄されながら生きている」ということです。そして、太宰のような表現者になりたいと思いつつも、そこには憧れと同時に自分自身の内面を掘り下げる恐怖を抱えています。何故なら深掘りしすぎるとしまいには自殺する術しかなくなってしまうことを彼らは「知っている」から。このような人々を見ていると一体彼はどんな世界観で小説を書いていたんだ!? と気になって仕方がありません!

作品中では太宰の経歴とともに彼の生き方や考え方にも触れることがきます。高貴な身でありながらも卑しい部分も持ち合わせており、どちらか一方の存在になることの出来ない苦しみが小説から読み取ることができると言います。さらに小説の中での出来事や文章が彼の人生の事実を後追いしていることも太宰治という人間性にハマる理由かもしれません。

 なぜフランス人監督は太宰治をテーマに選んだのか?

この問いに対して、監督は「私たちはおそらく、この作家は地球上に住む一人一人と最も親密な関係を築くことができ、かつ最も普遍的な作家だからですと答えるでしょう」と述べています。太宰のもつ多面性が、一つのヴィジョンの太宰治ではなく、個々の個性の感性の中で太宰治が変化し、存在している。そういった中で監督は、太宰が今でも現代性を持つ問いを発し、太宰とともに生きている人々を映像に残しました。

過去の作家ではなく、今尚息づいている

私は学校で習うような基礎知識しかないままこの映画を観ましたが、最後には太宰の小説を読んでみたい、そう思いざるを得ない気持ちになりました。このように太宰治という人間を知るきっかけとして、この映画は本当にオススメできます。太宰治は過去の作家ではなく、今を生きる作家であることがこの映画を通して観た人全てが痛感することになるでしょう。

是非この映画を通じて「太宰のように愛する人と心中することが夢」だと語る人がいるほどの太宰治という人間の中毒性・魅力を発見してみてください。

 

〈2018年7月28日(土)、ココロヲ・動かす・映画社全国ロードショー〉
監督:ジル・シネオ、マリー=フランシーヌ・ル・ジャリュ
配給:ココロヲ・動かす・映画社
HP:https://www.cocomaru.net/dazai


●文/ゆっか

1995年生まれ、福井県出身のおのぼりさん。昨年オーストラリア留学を経験し、只今幻の大学5年生を満喫中。旅行、音楽、映画、読書ととにかく色んなことに興味があり、何事にも浅く広く生きている。よく呑み、よく遊び、よく学ぶことが人生のモットー。