先日、本家本元「輝け!日本ぬカデミー賞」授賞式は2月24日に無事終了。ご来場いただいた皆様、誠にありがとうございました。さて、海を渡った北アメリカ大陸では、先日第90回「アカデミー賞」授賞式が開催されたのであった。今年の受賞作品とかはまあ、メディアで報じられているので割愛。今回は作品賞他3部門を制覇した『シェイプ・オブ・ウォーター』を観てきたのでレビューします。先に言っておくと、ここ数年のオスカー作品で一番面白かった、と述べておく。
あらすじ
あらすじは簡単だ。詳細についてはまあ、映画.comとか見といてくれ。
ざっくりいうと、発話障害のある独身の清掃おばはんは、めっちゃ孤独だったんだけど、ある日掃除してたら半魚人と出会って恋に落ちる、だけ。
本当にこれだけである。1文で終わってしまった。
おいおい本当にオスカー?
あらすじだけみたら、「うそでしょ」って思うくらい、アホっぽいストーリーだ。ようするに「なんでもない主人公が日常生活の中である日、異物が入ってきて異物と触れ合う」なんて「E.T」をはじめ数えきれないくらいあったじゃないですか。しかも半魚人って。大丈夫かよ? と思いながら劇場に足を運んだ。
すべてはデルトロ監督による世界観の構築
そんなアホっぽいストーリーでも彼の手にかかれば独特の世界観を構築し、ストーリーに違和感を感じなくなるのだ。1960年代が舞台となっている今作、レトロ感はもはや現実よりレトロだ。そしてファンタジーで童話めいていた世界観が見事に構築される。だからこの場所に半魚人がいても違和感がなくなってしまう。そして、半魚人の造形もどこか美しさもあり、劇中で「神」と呼ばれているのも納得できてしまう。音楽でいうなら、キレッキレのスタイリッシュなサウンドにアホな歌詞が乗っかってもカッコよく聞こえてしまう現象と一緒だ。
ファンタジーなのにエグいくらいリアリティ
半魚人とラブラブ♡ と、ファンタジーの世界なら『美女と野獣』のようなラブラブかと思いきや、エグいほどラブラブなのである。そして主人公の日常は別にそんなとこ見せなくてもいいよ、というほど生々しい日常が描かれているのだ。劇中、最大の悪役となるストリックランドにしてもそうだ。なにもそこまで、というリアリティが描かれる。ネタバレなしで話しているつもりなのでこの程度に収めておく。
最後は泣いた
俺はたぶん、デルトロの術中にまんまと引っ掛かり、最後は泣けた。結末はどうせこうなるんだろ、なんて思って観ていてその通りだったのに、だ。もう一度劇場で観ようと思う。1000字くらいで書こうと思ってたのでこれくらいで。
●文/ 東京饗宴 編集長・ライター ロックス
映画を中心に執筆活動中。得意なジャンルはB級〜Z級映画。勝手にその年の受賞作品を決める「輝け!日本ぬかデミー賞」を主宰。バンド活動、ウェブメディアの運営やイベント製作・萬屋経営など、マルチに活動中