2017.12.14

今スクリーンで観たい映画『シャブ極道』

はじめまして。いちまりと申します。

これから、映画について考えたことなどを書いていきたいと思います。
1996年に公開された細野辰興監督の『シャブ極道』は、知る人ぞ知る、しかしながら今でも熱狂的なマニアがいる作品です。細野監督も、11月30日付の自身のフェイスブックで、「21年前の作品にも拘らずTwitterなどでの話題が途絶えることがありません」とコメントしています。

この作品を知ったのは、2015年5月の、目黒シネマでのトークイベントがきっかけでした。
「いまスクリーンで観たい映画チョイス!!」として、『モテキ』の大根仁監督と女優 臼田あさ美が選んだ映画が上映された後、二人のトークの中で、「他に映画館で観たい映画」として、この『シャブ極道』の名前が挙がったのです!

『シャブ極道』という一度聞いたら忘れられない強烈なタイトルは、ビデオ化の際に上下巻に分かれ、『日本極道戦争 白の暴力』『日本極道戦争 白のエクスタシー』というタイトルとなって流通することになりました。(現在は『シャブ極道』のタイトルでDVD化されています。)

また、シャブを使う描写が多く登場するため、日本映画で初めて、「性描写以外が原因で成人指定を受けた」という点でも注目されました。

映画は、タイトルどおり、役所広司演じる、シャブが大好きな極道・真壁と、シャブを無くしたいと考えている巨大暴力団の幹部・神崎の闘いの物語です。

次々と繰り広げられる真壁たちの破天荒な行動や、スイカに塩、の代わりにスイカにシャブを振りかけるシーンに始まり、おなじみの「しゃぶしゃぶシャブ」といったギャグによって、3時間近くもあるにもかかわらず、長さを感じさせない作品になっています。

『シャブ極道』の魅力は、何といっても常に緊張感が漂う画面と、主人公・真壁の強烈なエネルギーが映画全体に充満している点だと思います。

組の頭の葬式シーンで、死体から内臓を取り出して「仇を取る~」と狂い叫ぶ役所広司の演技は凄まじいです。

そんなブッとんだ場面ばかりが注目されがちな作品ですが、『シャブ極道』は単なるやくざの抗争の物語ではなく、真壁と、早乙女愛演じる鈴子の、愛の物語でもあるのです。

真壁は、賭場で一目惚れした神崎の女・鈴子を無理やり自分の妻にしてしまいます。(破天荒な真壁に振り回されながらも、強く立ち向かう鈴子を演じる早乙女愛の美しさに注目。)

極道の世界に生き、お互いに激しく自分の感情をぶつけ合いながら愛し合う夫婦の姿が描かれています。

ラスト近くで、真壁が「鈴、愛しとるで」と改めて夫婦の愛を告白する台詞に思わず涙してしまいました。

一度観たら二度と忘れない『シャブ極道』、これからも多くの映画館のスクリーンで上映されることを願っています!

ライター・いちまり